■認知症病棟とは ■生活機能回復訓練 |
■治療方針 ■嚥下困難への対応 |
嚥下困難は、摂食障害の一つです。
- 開口困難:うつ病、胃潰瘍・逆流性食道炎、老年期認知症の中核症状と周辺症状
- 口腔相の問題:口から喉の奥へ食塊を運べない、生理的老化による唾液分泌の低下
- 嚥下困難
老年期精神病棟において嚥下困難が多い理由は...
- 脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症では脳組織の障害があり、それが仮性球麻痺の原因となっている。
- 非アルツハイマー型認知症のなかにはパーキンソン氏病を合併している。パーキンソンの一症状としての嚥下困難。
- 抗精神病薬の投薬による薬物性パーキンソン症候群
嚥下困難と肺炎
- 嚥下困難を長く放置すると、微小誤嚥を繰り返し、その結果微小誤嚥性肺炎から老人性肺炎へと移行していきます。
- この肺炎の特徴は、一般の肺炎と異なり熱、咳、痰などの症状が見られないために症状が進行してしまいます。
- よって、嚥下困難が見られたときには早めの対応が必要です。
嚥下困難が出現した時の対応は...
- 抗精神病薬の投薬中止
- 抗パーキンソン病薬の投与
- 嚥下困難対応食への変更
三和中央病院 副院長 老年期精神科 岩田信之(精神保健指定医)