投稿日時: 2011-07-12

 東日本大震災から4ヶ月目になろうとする平成23年7月10日、長崎大学医学部の良順会館で「災害時のこころのケア」と題して、東日本大震災における長崎県精神科医療チームの活動報告に関する医療シンポジウムが開催されました。

長崎大学では3月11日の震災発生直後から被災地への早期の支援活動を行ってきています。長崎大学精神神経科では福島第一原発事故で被災された方々への心のケアを、また長崎県では宮城県南部の名取市、岩沼市、亘理町、山元町への被災者への心のケア活動に精神科医療チームを派遣しました。

 当院でもこのチームへ参加し、長崎県内の精神科医療チームの一員として2回にわたり被災地へ赴きました。支援活動を行う中で感じたことは、精神科医療機関に受診することが困難な状況におかれている被災者の方々が、被災後のストレス反応や極度の不安状態に陥っていることでした。そして私たちがすこしでもその辛さに寄り添って傾聴することや正しい情報提供をすることで、その不安が和らいでいくことを体験できたことでした。今後、避難生活から早期に通常の生活に戻れるよう、きめ細かな支援が必要となってくると思われます。





投稿日時: 2011-05-01

 この度の東北地方を襲った大地震と大津波は未曾有の大災害となり、犠牲になられた方々とご遺族の皆様にはこころよりご冥福をお祈りいたしますとともに、被災地の皆様がこの困難を乗り越えられ、一日も早い復興ができますようお祈りいたします。

この大災害によって、被災者の方々は家屋の流出や肉親を亡くされた深い悲しみと苦しい避難所生活のために、精神的なストレスは限界に達しています。医療法人清朝会三和中央病院としましては、この災害による被災者の方々のこころのケアを目的に、長崎県こころのケアチームに参加し、東北地方の被災者の方々へ微力ながら支援のお手伝いをおこなってきました。

東日本大震災の被害については実際に現地に入ってみますと、テレビ等の報道で見ていた以上の甚大な被害であり、そこで想像をはるかに超えた光景を目の当たりにして被災地にただ立ち尽くすのみでした。

しかし、大震災による物的被害以上に私が衝撃を受けたのは、被災者の方々が今回の大震災で受けたこころの傷の計り知れなさでした。最愛の親や子供を亡くした上、避難生活を余儀なくされた方々や被災者でありながら役場で懸命に働かれている人々の心情を察すると言葉を失います。

今回の支援中に多くの災害後の急性ストレス反応、その後に引き起こされたPTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ病に罹患した方々を診察しました。おそらく今後も継続的な支援が必要なことは明らかです。長い時間がかかるであろうが、少しずつこころの平穏を取り戻し、復興をされていくことを願ってやみません。

今後、当院といたしましては、今月にも第2陣として精神科医を現地へ派遣し被災地の方々への援助を行ってく予定です。

2011年5月1日
医療法人清朝会 三和中央病院院長 塚崎 稔





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