アルコール・リハビリテーション・プログラム
アルコール依存症とは
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アルコール依存症者の家族の方へ
回復を支える家族のために


回復を支える家族のために
アルコールに関わる問題で最も影響深いのはその家族でしょう。アルコール依存症の家族は、なんとか今の生活を維持しようと必死になり、日常生活のほとんどのエネルギーをこの問題に費やしています。

飲んでいるときは冷ややかな対応をし、一方飲んでいないときは本人の人の良さを評価して、なんとかしてあげようという感情が作用して世話をやく行動に表れます。このような家族の感情は、アルコール依存症者との長年の共同生活で無意識にできあがっていきます。「病気」としてとらえるのでなく、不自然な対応になってしまっています。

アルコール依存症者と同様に不健康な人間関係は、家族(配偶者、子供たち)も精神的な障害に陥ってしまいます。


アルコール依存症という病気の回復のために、家族はどのように対処したらいいのでしょう。

   
ひとりで問題を解決せず仲間と共に考えていく
依存症者の家族のためのグループがあります。同じ悩みを持つ家族の助言を聞き、そこから経験を学ぶことで、依存症者への見方、とらえ方が変わってきます。
       

感情的な口論は避けましょう
本人の飲酒をやめさせるために、家族は最大限の努力をします。説教や怒りをぶつけます。しかし、アルコール依存症者はそれを理由にしてまた飲酒するのです。すべて失敗に終わります。


相手を変えようとせず自分自身を変えよう
アルコール依存症は飲酒のコントロールが全く不能になってしまった病気です。相手が変わってくれることをねがい、心を入れ替えろと言っても無理なことです。それよりも自分自身の生き方、感じ方を変えることが重要です。ひとつの方法として家族が内観をしてみることもよいでしょう。
       

自分の生きがい、楽しみをみつけましょう
依存症者の言動、行動にいつも不安な感情をもっていて以前のような生活ができなくなっています。自分自身の楽しみも犠牲にしてきました。


アルコール依存症について正しい理解をもつ
アルコール依存症はひとつの疾患として認識されています。ですから診断から治療法においても専門病院では行われています。家族の方がこの病気について正しく理解することが、早期治療に結びつくことになります。また、病気として認識することで家族の悩みも少なくなってきます。
         

依存症者のためにこれ以上世話をやかない
依存症者の飲酒問題の解決にエネルギーを費やしてへとへとです。本人が責任を取るべきことに対してはこれ以上手をかさないことです。

家族が心の健康を取り戻し、依存症者に対し適切な対応ができるようになることが、結局はアルコール依存症者を回復に導く近道なのです。