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(5)当院の育成専門病棟

看護実習受入校

長崎市医師会看護専門学校 准看護科

 
看護学生の一言

 精神科看護実習を終えて

 私が通っていた小学校の目の前には精神科病院があり、奇声が聞こえたり鉄格子に閉じ込められているという話を聞いて、子供心ながらに精神科は怖いところというイメージを持っていた。
 
 今の精神科は昔とは異なると学んだが、どうしても昔のイメージが私の中に残っていた。そして、いざ、精神科実習が始まると、私の中のイメージが変化していくのを感じた。
 確かに患者さんの症状により、行動制限や隔離、身体拘束を行っていた。認知症病棟などは出入り口は終日閉鎖していた。しかしそれらは離院の予防など、いわば患者さんの安全を守るために実施されており、決して閉じ込めているのでは無かった。行動制限などは患者さんの心理的苦痛を伴うことから必要最小限にし、実施時にはきちんとした説明、声掛けを行っていた。さらに事故防止のために、し過ぎるということはなく予防的に工夫を重ね、また職員が確認を確実にすることで、患者さんの安全な環境を保っていた。精神科においては鍵を含め、『確認』が患者さんの安全のために重要であることを学んだ。
 
 精神科で特徴的だと思ったのは患者さんとの関わり方だった。今までの実習は清潔援助に追われていたが、私達にできた援助はとにかく患者さんの横にいて話を傾聴することだった。スタッフはまるで家族であるかのように患者さんと関わっていた。看護は患者さん目線になり、患者さんの気持ちを考えながら実施しなければならないが、一般病院では時間に追われ、職員の都合で動いてしまっていることも少なくなかった。それが精神科においては、他科に比べ、より患者さん目線で動いていると感じた。精神科の患者さんは社会においても辛い思いをされてきた方も少なくないと思う。そのような方達に寄り添うには、より患者さん目線で配慮していく必要があるのだと感じた。その関わりを継続することで信頼関係を築き患者さんにとって家族の役割を果たしているのだと学んだ。
薬物療法においては、作用、副作用を学び、症状安定のためには継続した服薬管理が必要で、患者さんに理解してもらうように関わる必要性を学んだ。
 
 作業療法においては気分転換や覚醒の意味あいがあると同時にセルフケア能力の維持、向上の役割を果たしていることを学んだ。そのため、裁縫や料理など社会復帰のために必要な技術も取り入れており、自分の役割を果たすことで患者さんの自信に繋がることも学んだ。
 
 学生と共に制作した看板作りは私達の思い出ともなり、何より患者さんの集中力に驚かされた。10日前とは異なり患者さんと学生との一体感を感じることができ、それを形として残すことができて本当に良かった。
精神科の患者さんは病識がないとのことだったが、特にアルコール依存症の患者さんは、よく自分のことを理解されており、昔のことも話して下さった。自己の理解は疾患の理解とともに、次のステップに繋がると思う。一人でも多くの患者さんが社会復帰を果たして欲しいと思う。
 
 精神科実習において様々な学びと共に看護観が変化した気がした。精神科における関わり方をこれからの臨床に活かし、患者さん目線の患者さんの心に寄り添い、患者さんへの感謝の気持ちを忘れない看護師になれるよう努力したいと思う。
 精神科の看護師は私の目標だ。
10日間のご指導ありがとうございました。